Airbus Defence and Space
航空

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エクソスケルトン長期検証、その結果が待たれる理由

エアバス・ディフェンス・アンド・スペース(ブレーメン)において、職場の安全性向上と人間工学的改善を担っているのが、セーフティオフィサーのボリス・ルシュコフスキー氏と、産業安全専門家のクリスチャン・ベーム氏です。

業界
航空
作業内容
頭上組立作業、リベット打ち、油圧ラインの取り付け
使用しているSUITX製品
ドイツ

エクソスケルトン長期検証、その結果が待たれる理由

エアバス・ディフェンス・アンド・スペース(ブレーメン)において、職場の安全性向上と人間工学的改善を担っているのが、セーフティオフィサーのボリス・ルシュコフスキー氏と、産業安全専門家のクリスチャン・ベーム氏です。

彼らはBG ETEM、DGUV、そしてSUITX by Ottobockと連携し、2022年10月から8名の従業員とともに「エクソスケルトンは航空機製造の現場にとって有効な選択肢となり得るのか」という問いに向き合ってきました。2024年2月からは、蓄積された膨大なデータの科学的解析が開始され、その結果はエアバス社内のみならず、業界全体から注目されています。

航空機胴体内での頭上作業という現実

調査に参加しているフランツィスカ・クリスチャンズ氏は、将来の航空機の胴体内部でリベットを打つ作業を担当しています。その多くは肩より上、あるいは頭上での作業です。

こうした作業は筋骨格系に大きな負担を与え、腕はすぐに疲労し、休憩を挟まざるを得ません。結果として生産性は低下し、ミスのリスクも高まります。

身体に密着して装着するショルダーエクソスケルトンは、こうした頭上作業時の肩周りの筋肉負担を軽減するために設計されています。

"「リュックサックみたいな感覚ですね。軽くて、ストラップも自分に合わせて調整できます」 — フランツィスカ・クリスチャンズ"

同じく調査に参加しているヴァネッサ・デンブスキー氏は、機体内部に油圧ラインを組み込む作業を担当しています。こちらも長時間にわたり腕を肩より上に保持する必要があります。

二人がテストしているIX SHOULDERは、身体の力をそのまま利用するパッシブ型エクソスケルトンです。外部電源を必要としないため軽量で扱いやすく、筋肉は使い続けながらも、過度な負荷を防ぎます。

"「エクソスケルトンなしでは、常に軽い緊張感がありました。今はそれがありません」 — ヴァネッサ・デンブスキー"

科学的に検証される長期試験

この長期研究は、ドイツ社会災害保険(DGUV)の労働安全衛生研究所(IFA)によって科学的にモニタリングされています。

重要な検証項目の一つが、「エクソスケルトンの長期使用が筋萎縮を引き起こす可能性はあるのか」という点です。

この検証には、筋活動をセンサーで測定する筋電図(EMG)が用いられています。現時点で得られている初期結果は、非常に前向きなものです。

ただし、エアバスでは研究が完全に終了した後にのみ、正式導入の判断を行う方針を取っています。

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協業から生まれた製品革新

実は、オットーボックとエアバスの最初の意見交換は2019年にまで遡ります。その協業の成果の一つがCX EASY NECKの開発です。

CX EASY NECKはIX SHOULDERを補完する製品で、頭部をハンモックのように支え、頸椎への圧迫を軽減することで、長時間の頭上作業にさらなる快適性をもたらします。

参考文献

Frank Siemers

『Das Magazin für Sicherheitsbeauftragte Arbeit & Gesundheit』

BG ETEM 3/2024号(ドイツ語)