プロローグ
IKEAでは、物流担当者一人あたりが1日に最大500点もの商品を持ち上げ、運びます。高い棚から家具の箱をパレットへ移す、店内で重いカーペットロールを広げる、家具の荷姿をコンテナ上部まで積み込む——。こうした負荷の高い作業は、腰痛につながることもあります。
そこでIKEAが進めたのが、SUITX by Ottobockの外骨格導入です。世界中の従業員の負担を軽くし、健康を守り、日々の仕事のモチベーションにつなげるための戦略的な一手でした。現在、22か国で600台以上の外骨格が毎日使われ、背中や肩にかかる負担を「文字通り」軽くしています。
現場に広がる手応え
現場の従業員は、このパーソナルアシストシステムを非常に前向きに受け入れています。スイス・イティンゲンのカスタマー配送センターで働くHassanは、IX BACKの外骨格を12か月以上使い続けています。
「とにかく使い方が簡単。装着は10秒くらいで終わって、まるで誰かが作業を手伝ってくれているみたいなんです。」
ドイツ・ハノーファーのStefanも同じ思いです。とくに評価しているのは柔軟さ。
「これを着けたままフォークリフトに乗れるし、店内も普段通りに動けます。」
コンテナへの積み込み作業で2年前からIX SHOULDER AIRを使っているShqiprimの言葉は、いっそう印象的です。
「それ以来、肩の痛みも、腰の痛みもなくなりました。夕方帰宅しても、まるで一日中重いものを運んでいなかったかのように、子どもを抱き上げられるんです。」

科学的検証:腰の負担を最大56%軽減
これは単なる「良い話」ではありません。世界展開に先立ち、IKEAはフィードバックフォームとセンサー計測によるパイロットスタディを実施しました。ドイツとスイスの4拠点で42名の協力を得て、実際の作業場所における約30種類の動作シーンを、3か月間の開始時点と終了時点で分析。外骨格あり/なしで同一作業を計測し、有効性を検証しました。
その結果、外骨格を使用すると、1つの作業タスクあたり腰椎にかかる負荷が最大80kg相当も低下し、負担を最大56%削減できることが示されました。さらに、参加した物流担当者へのアンケートでも、客観的結果と整合する主観評価が得られ、勤務後の活力が明確に向上したと報告されています。

"それ以来、肩の痛みも、腰の痛みもなくなりました。夕方家に帰っても、まるで一日中仕事で何かを運んでいなかったかのように、子どもを抱き上げられるんです。"

世界へ広がるムーブメント
この取り組みの成功を追い風に、IKEAはSUITX by Ottobockのソリューション展開を世界規模で拡大し、従業員が健康でいきいきと働き続けられる環境づくりを進めています。
現在IKEAは、22か国で600台以上の外骨格を配備。より良い毎日をつくるというコミットメントにおける大きな節目となりました——それは顧客だけでなく、共に働く仲間(co-workers)のためでもあります。今秋にはラトビアの2拠点でも導入を開始し、バルト地域での次の展開に向けた重要な一歩となりました。6か月の試験導入を経て、現在はリガとリエパヤで日常業務に統合されています。


"「SUITX by Ottobock」との協業は、IKEAが人のウェルビーイングに投資し続けていることを示すものです。外骨格は、身体的負荷や疲労が仲間の健康に与える負の影響を最小化することを目指しています。仕事の内外での生活の質を高め、負担を減らし、シフト後にもエネルギーが残る状態につなげたいのです。」"




